妻、やめます。

モラハラ夫と過ごした日々の回想録

徒労に終わったエアコン掃除~モラハラ夫の機嫌に振り回される妻


たかがエアコン掃除、されどエアコン掃除


夏の走りを感じさせる5月のGW。

夫とエアコン掃除をしました。

『エアコン掃除』

おそらく普通の夫婦なら

平和な休日の出来事かもしれません。

しかし、私にとっては
大掛かりなプロジェクトを実行するような緊張を伴ってこの日を迎え、あえなく玉砕するという、散々なひとときとなりました。

たかが『エアコン掃除』にも容赦ないモラハラ夫のおはなしです。

 夏がくる!


ドラッグストアの陳列棚に夏向け商品が並んでいるのを見て、

〝そろそろだな〟

と思い、さっそくエアコン洗浄スプレーを購入。



毎年、私一人で部屋中の衣替えをします。

エアコンも扇風機も私が掃除してきました。

※ふたりで1Kの部屋の広さなので、ものの入れ替えにテクニックが必要なのと、
夫に仕事以外に家事をさせることは許されない空気だったためです。



夫は扇風機を指さして「汚れてるよ」と指摘するだけで、何もしません。


洗浄スプレー後、エアコンの奥を覗いてみたら、、、

なんと!カビだらけ!!!!(叫)

いろいろ検索してみたら、素人がエアコン洗浄スプレーで掃除するのは難易度が高いとのこと。。。
私は毎年、あえてカビのみなさんに住み家を差し出している状態でした(泣)

とにかく、もう夏まで待ったなし!

どうにかしなくては。

思いきって夫に相談


夫が帰宅後。
顔色を窺い、明るく今日の出来事を話しました。

内心は心臓が痛いくらいドキドキしています。

でも、夫は反応うすく無関心。

だから?何?

と言いたげな顔です。


私は思いきって、業者さんのエアコンクリーニングを提案してみました。

「できるだけ安くて、ちゃんとしてそうなとこ探すから」


でも、夫からの返事は「NO」でした。

「金かかんの??」

「いいよ。そのままで」

「俺は気にしない」

「どうにかならないの??」

撃沈です。


私はあのカビの大群を見てしまった以上、その空気を吸い続けるなんてできない!

今だって嫌なのだ!!と思い


夫に、一緒にエアコン掃除することを提案しました。


スプレー洗浄でさえ私の身長が精一杯だったので、これ以上しっかりと掃除するには
夫の助けがないと不可能だと思ったからです。

夫一人に「やってほしい」なんて怖くて絶対言えないので


「一回だけ、一緒にチャレンジしてほしい」

と、明るく伝えました。


もちろん、ものすごく嫌な顔されました。

「俺はそのままでいいって言ってんじゃん」

「分からない」

と繰り返されましたが、がんばりました。

夫は最後まで「いいよ」と言ってくれませんでしたが、カレンダーに〝エアコン掃除〟と書き込みました。

用意周到なエアコン掃除計画


まずはネットで、エアコン掃除の方法をひたすら検索。

なるべく安く、手軽に、上手くいく方法をチェック。

そして、
100円ショップで必要なものを揃えました。

念のため、役に立ちそうなブラシも余分に買いました。


それから本番当日までは

何度も手順をチェックし、イメージトレーニング。

夫の貴重な時間を使うので、不手際は絶対に許されないからです。


ここまで、周りからは滑稽に見えるかもしれませんが、私は本気で大真面目でした。
大げさではなく、国の大役に臨むような緊張感です。

ついにエアコン掃除決行


当日まで、夫にエアコンの話はしませんでした。

下手に日にちを確認したりして、急にしなくていい仕事の予定を入れられたり、無駄に傷つくことになるのが怖かったからです。

とにかく夫の機嫌を損ねないように、慎重に過ごしました。


そして、当日の朝をなんとか穏やかに迎えました。

午後になってようやく勇気をだして、エアコン掃除のことを切り出しました。


夫の顔が瞬時に曇りました。

目つきが鋭く、口は怒っています。


がんばって気にしてないふりを続け、テンションをあげました。


夫「ちゃんと準備できてんだよね?」

私「うん!完璧だよ!ほら」


低く、不機嫌な声色で聞いてきた夫に、明るくおどけて100円ショップでかったお掃除グッズを見せました。


夫「やり方とか、ちゃんと分かってんだよね?」

私「大丈夫!ネットで調べたよ!」

夫「・・・」


準備は周到過ぎても足りないくらいです。
やっぱり夫は意地悪な聞き方をしてきました。


私は夫に、貴重なお休みの日なのに一緒にエアコン掃除をしてもらうことに謝罪と感謝を伝えました。

正直言うと、ものすごく緊張している反面、夫婦で夫婦らしいことができるのがうれしい気持ちもありました。

客観的に見て、自分で自分が惨めでかわいそうだなぁと思います。。


まずは大きなごみ袋を使って周りの家具や家電をガード。

自転車カバーを上手く使って、エアコンの下にセット。
汚い水が流れてもキャッチしてくれます。

この時少し手間取り、既に夫はイラついてました。

いよいよ本番。

ふたりでエアコンの吹き出しから奥をのぞきこみ、
夫にもカビの大群にご挨拶してもらいました。


夫に何かを指示するのはとても難しいです。

すぐ〝偉そうに〟〝上からものを言うな〟と言ってくるからです。


私は夫の機嫌を損ねないように明るく丁寧に説明しました。

しばらくお互いに黙々と掃除していたのですが、思うようにいきませんでした。


秘密兵器の余分に買ったブラシも使ってみましたが、こちらもやはりダメ。


「なかなか奥までできないね」

などと話しかけましたが、鮮やかに無視されました。

夫は怒っています。

すると、何も言わずその場を離れ、座ってしまいました。

テレビにはごみ袋が被さっていて画面が見えないのに、夫はテレビを凝視しています。

私はしばらく一人で掃除を続けながら夫の様子を窺っていました。


休憩かな?

と思いましたが、いつまでたっても動きません。


「イチオ、これどうしよっか」

夫はものすごく怖い顔でテレビをみたまま

「なにが?」

「エ、エアコン。。」

「・・・」

「もうやらない?」

「なんだよ」

「ずっとテレビ見てるから(見えてないけど)

「なに?見ちゃいけないの?」

「そうじゃなくて、どうしよっか?カビ落ちないね」

「もういいんじゃないの?」

「でも、すごいよカビ。これ吸ってたら病気になっちゃうよ」

「いいよって言ってんだよ俺はっ」


終了です。。。

平静を装ってましたが、夫から訳の分からない展開で凄まれた私は恐怖と緊張で限界でした。

何とか明るいトーンで、あらためて夫に感謝を伝えました。

 

やっぱり大量のカビが怖い


それから、さりげなく脱衣所に避難。

心が落ち着くまでしばらくうずくまっていました。


夫が怖いけど
あのカビもすごく怖い。


私は再度、勇気をだして夫に申し出ました。

「ちゃんと安いところを探すから、エアコンクリーニングを頼ませてほしい」

夫は「いいよ」なんてもちろん言ってくれません。

無言のまま。

「頼むな」とは言われなかったので、良しと捉えました。

 

夫が怒った原因は?


夫が何に怒ったのかが分かりません。

そもそもやりたくないことをやらされて不機嫌だったので、いつ爆発してもおかしくはなかったのかもしれませんが、、、

掃除がうまくいかなかったから??


どうして私たちはこうなってしまうのだろう。

どうして普通に会話ができないのだろう。

どうして私はいつも怒られてしまうのだろう。

悲しみと虚無感でいっぱいになりました。


見えないテレビ画面を無理な体勢で凝視し続ける夫。

その姿の異様さが今も脳裏に焼き付いています。

 

余談ですが


数日後、エアコンクリーニングでカビはきれいになりました。

相場より安いところにお願いしたので、少し心配でしたがよかったです。

これでまたダメだったら、

俺の金を無駄にしやがって」

と凄まれていたはずです。


その後。

私は何度か、涼しい部屋で過ごせることを夫に感謝しました。


このときは、まさかこれが夫と過ごす最後の夏になるとは思ってもみませんでした。

 

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