みすぼらしい身なりはモラハラ夫の卑劣な自己プロデュース
モラハラ夫は異常なほど外からの目を気にします。
外からの評価を気にしすぎるあまり、内と外で激しい二面性を有しています。
みっともない自分
格好悪い自分
恥ずかしい自分
これらを徹底的に隠して排除し、理想のすばらしい自分を必死に演出するモラハラ夫。
ところが、
外面のためにここまでする夫なのに
度々まったく真逆のみすぼらしい姿で人前に出て行くことがありました。
今回は、夫の不可解な行動とその行動の根底にあったモラハラ夫特有の心理・思考のおはなしです。
夫の不可解なこだわり
夫は服に興味がありません。
そのことはおつきあいをしている頃から分かっていました。
ただ興味がないだけで見た目は普通でしたし、かえって肩肘張らないシンプルさに好感を抱いてました。
しかし、結婚してからは服への興味のなさがさらに強化されたのか、または転じたのか、興味がないというレベルを超えて変なところでものすごく強いこだわりを示すようになりました。
いつも同じ服
結婚してから、夫は外出するときはいつも水色のシャツとチノパンという服装を選びました。
水色のシャツは長袖と半袖が一着ずつ。
デザインはほぼ同じです。
チノパンは一本のみ。
私が新しい服を買ってきても
一緒に買いに行こうと言っても
渋い顔をするか頑なに拒否しました。
「俺に指図するな」
「何で俺があなたの言うこと聞かなきゃいけないんだよ」
急に怒りだして大惨事になることも何度もありました。
色が褪せ、擦り切れ、取れないシミがあってもそれらを着続けました。
私を特に困惑させたのは、
夫が学校行事の打ち上げや教員仲間との飲み会、また教員の慰安旅行などにも毎回その服装で出かけて行くことでした。
日頃は普通のスーツ姿で会っているとはいえ、いつもいつも同じくたびれた私服を着てくる夫に違和感をおぼえる人がいてもおかしくありません。
結婚したのに?
奥さんいるのに?
奥さんは意地悪なの?
イチオ先生はお金を使わせてもらえないの?
私は夫の学校の先生方にお会いするときはそれなりに服装に気を付けていたので、〝奥さんだけにお金を使っている〟〝夫の身の回りのことを何もしてあげていない〟などと何だか歪んだ見方をされているのではないかと心配でした。
※実際は、私は夫から服を買ってもらったことがなく、数百円の古着をうまく活用したり身内のお下がりをもらったりしていました。
夫にもそういった〝世間の目〟について訴えましたが、真っ向から否定されてまったく聞き入れてもらえませんでした。
夫の実家に帰省する際は数日滞在するので私が選んで買ってきた服も着ることはありましたが、それらも何年も同じラインナップの服たちであり、またその年季の入りように夫の家族も何か思うところがあったのではないか、と今振り返って思ったりします。
私はまったくお金の実権を握っていなかったのですが・・・。
いつも同じ私服を着ること以外にも、まったくTPOに合わない場所に仕事で着るスーツで出かけることに悩まされました。
〝私服姿を生徒に見られたらなめられる〟
というが夫の言い分でした。
夫から怒鳴られたりするのが怖くなり途中からあまり指摘しなくなりましたが、夫の〝世間の目〟に対するちぐはぐな感覚にずっと振り回されていました。
ボロボロ過ぎるスニーカー
夫が学校で履いている室内用のスニーカーを新調し、古いスニーカーを持って帰ってきたのですが・・・その姿に驚きました。
写真で保存してました 苦笑
ちょっと分かりづらいのですが、大胆に破れて大きな穴が開いていたりして履くと足が丸見えです。
靴底も割れまくっていてボロボロ。
実際の色もすすの中に埋めたのかというような感じでした。
ここまで履いてくれたら靴も本望だと思うし、物を大事にすることはすばらしいけれど、靴としての機能を失っている状態は行き過ぎです。
なんでもっと早く新しいのを買わなかったのか、周りで何か言う人はいなかったのかなどを問いましたが、夫は露骨に無視して答えませんでした。
ただ満足そうににんまりとした笑みを浮かべていたことが印象に残っています。
燃えたジャージ
夫は日頃はスーツで出勤していましたが、運動会前後や大掃除、その他宿泊を伴う行事など何かとジャージを着用する機会が多くありました。
特に運動会前後は毎日使用するし、だいぶ劣化もしていたのでできればもう一組買ってほしかったのですが、何度提案しても絶対に首を縦に振りませんでした。
とある年、秋のPTAの催しで夫のジャージが燃えました。毎年教員は焼き鳥担当なのですが、その時何かの拍子で火が飛んできたそうです。
夫のジャージの上着にはいくつもの穴が開き、ジャージのズボンの方もところどころ燃え跡があり、特にふくらはぎあたりは派手に燃えたようで大きな穴が開き、生地が焦げ縮んで遠目でみてもボロボロなのが分かりました。
これも写真を撮っておけばよかった・・・
さすがに誰が見ても買い替えるのが当然だと思われるような状態でしたが、夫は頑なにジャージを購入してくれませんでした。
「お願いだから新しいの買ってよ」
私は必死に夫に訴えましたが、その度に夫から返ってくる答えは
「これは俺の勲章だからね」
「これがいいんだよ」
〝仕事を頑張ってできた名誉の傷〟みたいなことを言いたいのだろうか。
この時の私は、夫の気持ちを理解し受け止めようという思いはありましたが、夫がそのジャージをいつまでも人前で着続けることには抵抗を拭えませんでした。
同情と称賛がほしいモラハラ夫
上記の他にも同じような例がいくつもありました。
※なぜか反面、たまに急に新品へのこだわりを強く見せたりすることがあり、夫の考えていることがよくわかりませんでした。
なんで人の目をものすごく気にする人が、マイナスのイメージを持たれるような〝身なり〟にこだわり執着するのかずっと不思議に思っていました。
そして、その答えらしきものは
夫と別居してから知ることとなりました。
モラハラについていろいろと調べていた際、
〝モラハラ夫は わざと汚い服を着て 悲しそうにふるまう〟
というような文言をいくつか見つけました。
モラハラ夫はそのような姿を周囲に見せることで妻を陥れ、優越感に浸るのだというのです。
驚きましたが、すぐに納得がいきました。
あれほどまでに人からの見られ方を気にし、外面の良さを保つために神経を消耗する人が、あえて身なりを悪くしていた理由がわかりました。
夫はどこへ行っても〝ものすごい愛妻家〟を装いました。
夫の同僚の先生方も夫の愛妻家ぶりを心から信じていて、私は何度も周囲から夫を褒め称える言葉を浴びました。
〝自分のことなんかよりも愛する妻のために全部捧げています〟
というような身なりを全身にまとった愛妻家が、日々身を粉にして生徒のため学校のため必死に奮闘する姿はさぞかし、多くの人たちの憐みの情を誘い、称賛の声を引き出していたことでしょう。
モラハラ夫は
事実を歪めてまでも
大嘘をついてでも
周りから注目されたい、称賛がほしい。
妻を傷つけようと
悲しませようと
陥れてでも
自分を守るため、自分を立てるため、歪んだ欲求を通したい。
そのようなモラハラ夫の心理・思考の特徴を踏まえると、夫の不可解なこだわりはただの趣味・趣向ではなく、卑劣な動機で計算された自己プロデュースであることが分かりました。
欲求への異常な執着が生む恐ろしい悪知恵
強すぎる自己保身と勝手すぎる自己顕示欲の充足のため、歪んだ自己愛を満たすために夫がしてきたさまざまなモラハラ行為はどれも恐ろしいです。
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しかし、今回の例のように、
外に分かりやすく〝素晴らしい俺〟を見せつけるだけでなく、自らマイナスイメージの餌を撒き、人の純粋な心の動きを利用して同情と称賛を強引に得るという方法をさらっとこなしてしまうモラハラ夫には、また違う恐怖を覚え、心と身体の奥底から震撼しました。
同僚の先生や生徒・保護者にとっては、自己犠牲の精神で奥さんを心から愛し尽くす心優しい先生。
そして
夫の実家家族にとっては嫁の尻に敷かれて惨めな生活を強いられるかわいそうな息子。
身近な人たちの前でみすぼらしい身なりをするのは悪い印象を残してしまうと思われますが、逆に夫にとっては自分の株をあげ、味方を強固にするためにものすごく効果的な手段だったようです。
これが夫の本心だったかどうかを一方的に決めつけてはいけないのかもしれませんが、モラハラ夫の心理・思考を当てはめると、その不可解な身なりの根拠の説明としてしっくりくるように思います。