妻を困惑させる夫の激しい二面性と良すぎる外面
モラハラ夫の特徴の中に
激しい二面性を有する
異常に外面が良い
というのがあります。
一歩外に出れば、夫のことを
誰もが良い人だと判断し、
ものすごい愛妻家だと認識
結婚生活のあいだ
私はこの夫の二面性と外面に心を揺さぶられ、思い悩んできました。
今回は、結婚指輪の購入をめぐるモラハラ夫と私のエピソード、その中にあったモラハラ夫の二面性と外面についておはなししたいと思います。
ふたりでの本格的な生活が始まり
入籍そして結婚式へと歩を進めていく私たち。
傍目にはとてもしあわせなふたり。
しかし、私もそう実感する一方で
〝なんとなく〟心を刺激する違和感のようなものや傷みを感じ始めていました。
急に表れた夫の二面性と外面
数か月後に結婚式を控え、
〝そろそろ結婚指輪を購入しよう〟という流れになりました。
そして数日後。
この日は指輪探しが目的ではなかったのですが、とあるお店を通りかかるときに夫が「ここは?」と立ち止まりました。
まったく想定していなかったので躊躇しましたが、夫はもう入ると決めている様子だったのでショーケースに並ぶアクセサリーを見る練習だと思って入店しました。
「やっぱさぁ、ムギコも毎日つけるならキラキラしてる方がいいでしょ?」
すぐ隣りにいる私には有り余るほどの声量と
かなり演技がかった振る舞い
夫の突然のセリフにびっくりしましたが、私は夫がおどけているのだと思い笑って返しました。
店員さんがそばにいらっしゃると
変わらぬ調子のまま、いつになくハキハキと会話する夫。
私が何気なくショーケースの中を見ていると、夫が急にダイヤがたくさん並んだ一際まぶしい指輪を差して試着を勧めてきました。
冗談だと思っている私は「これはキラキラすぎるよ~笑」と夫に返し、店員さんにも同じような感じで「今日はちょっと見るだけで~」と伝えました。
「妻にはキラキラしててほしいんで」
隣りからまたも耳慣れないセリフ。
夫は私には構わず、店員さんに指輪を出してもらっていました。
試着すると夫がたくさん褒めてくれるので私も夫に合わせてノリ良く応えていたのですが、一通り盛り上がると夫は急に気配を消しました。
夫の顔をふと見ると
上手く言えないのですが
目の奥に何となく鋭利なもの冷たいものを感じたのです。
ほんの一瞬見た表情からは正確なメッセージを受け取ることができませんでしたが〝とにかく私はこのまま指輪をつけていてはダメなんだ〟〝後の処理は私に投げられたのだ〟と解釈しました。
私が引き際のタイミングを窺い、丁寧な商品説明をして下さった店員さんにお礼を伝えると、再び急に妻思いのハイテンションな夫が戻り、最高の笑顔をたたえて深々と頭を下げていました。
お店を出た私は明るく無邪気に指輪を試着した感想を伝えました。
ところが夫は
まるで表情というものがなく、
さっきとはまったくの別人のよう。
さっきまでのことを忘れてしまったのか
もしくは
最初からそんな出来事など無かったかのように薄く冷めた反応。
〝なんか怒っているのかな〟
黙ったままずんずん歩く夫。
やや小走りで夫の横を必死にキープする私。
不穏な空気を感じた私は
夫がなぜ無言なのか、なぜ不機嫌なってしまったのかを考えました。
夫はもしかしたら・・・
私と同じように実は緊張していた
もしくは
私を喜ばせようとしてくれていた
そのため、いつもとまったく違う顔・キャラクターになっていた。
夫は私のために慣れないことにチャレンジしてくれていたのに、私はそんな夫をどこかで傷つけるような言動や態度をとっていたのかもしれない。
不穏な空気の責任は私にあると思い込み
重く黙る夫にその理由を聞いたり、
至らない自分を責め謝りましたが
夫は冷たい横顔を向けたまま。
不機嫌について言及することなく突き放しました。
夫が突然見せた〝別の顔〟についてはかなり驚きましたが、それは特別な状況での一過性のものであり、また、とにかくその日は私が夫を不機嫌にしてしまったことで頭がいっぱいだったためそれ以上深く考えていませんでした。
しかし
その後もくり返される激しい二面性と良すぎる外面。
店員さんの前では
とても優しくおおらかな愛妻家
私とふたりになると急に冷めた無表情
ものすごく露骨で極端。
何が何だか分からず困惑しきりなのですが、自分の感情をなだめる前に夫の不機嫌と無言の圧力を〝私がどうしかしなければ〟と駆り立てられ、理由もわからないまま心を尽くしていました。
夫の謎の主張と牽制
その後、なんとかお店が決まりました。
いい雰囲気の中、
お互いに気に入って決めた・・・ハズでした。
この直後、夫から耳を疑うような言葉が…
一息つこうとカフェに入り
安堵した私は改めて感謝を伝えました。
しかし夫の表情は険しく、少し無言で間をおくと
「やっぱり俺、指輪いらないから」
一瞬何を言っているのか分かりませんでした。
ほんの数分前。
ふたりで「これがいいね」「これにしよう」というやりとりをし、店員さんにも明るくそのような意思表示をしてきたのです。
夫に理由を問うと
「うちの両親がつけてるの見たことない」
「両親がつけてないからつけない」
「俺は必要ない」
というような言い分が並び
「ムギコだけ買えばいいよ」
最後は冷たく突き放し
それからは私が何を言っても聞く耳を持たず「とにかく俺はいらないから」と、私に判断を任せるような感じで黙ってしまいました。
それからしばらく指輪の購入が頓挫しましたが、結果的にはペアの指輪を購入するに至りました。
夫からは何の説明も前置きもなく
いつのまにかそうなっていました。
その気持ちの変化について聞くと
「何が?」と
低い声だけが返ってきました。
まるでそんな議論自体もとから存在しなかったかのような素振り。
私がやや困惑と反発の色を見せると
夫は鋭く険しい視線を向け、無言のまま私の中のあらゆる機能を硬直させました。
〝もう少しちゃんと話したいな〟
という思いもありましたが、
いろんな意味で怖さを感じた私はそれ以上深追いしませんでした。
何となくの違和感と困惑はさらに混乱と悲痛へ
この頃、くり返される激しい二面性と良すぎる外面に対してはまだそこまで深刻に考えていませんでした。
なんとなく変だな
なんとなく嫌だな
なんとなく怖いな
〝なんとなく〟の違和感と困惑
二面性の裏
外面の前後
ふたりになった途端に急に不機嫌になったり、怒った様子で無言になってしまうことに不安や恐怖を感じる正常な心はありました。
しかし、その一方で
私にだって外面はあるし、
外で妻思いな言動や行動をしてくれている夫をただの悪者にすることは考えられませんでした。
夫の心を察し続けて心を消耗する
夫の心を不穏にしてしまう自分を責める
恐怖や不安から顔色を窺う
このときの私は、既に夫の〝空気〟による支配=サイレント・モラハラの中にあり、無意識のうちに少しずつ言葉を奪われ、感情を操作されていたと思います。
このあと私たちは結婚式の準備を進めていくのですが、夫の二面性と外面はさらにひどく顕著になっていきました。
夫の歪んだ自己愛を満たすための行為は
私に大きな混乱と悲痛をもたらしていきます。
そんな、結婚式までのエピソードはまた後におはなしいたします。