妻、やめます。

モラハラ夫と過ごした日々の回想録

自己満足?な校外学習の下見~モラハラ夫のお手伝い③

校外学習の下見は誰のため?


校外学習。

修学旅行や遠足、林間学校などのことです。


教師の仕事には、これらのような行事のための下見というものもありました。 


下見の仕事の中にも、
自己中心的なモラハラ夫特有の思考や行動が見られました。 


今回は、
夫の仕事『校外学習の下見』の際の夫婦の姿を通して、モラハラ夫の実態をおはなしいたします。

 

 戸惑いと落胆


夫は、正式な仕事としての下見に行くのはもちろんですが、誰からの依頼もないのに自発的に行くことも何度もありました。


そして、やはり
夫ひとりで行くことはありません。


これまでの記事でもご紹介しているのですが、夫は必ず【ナビ役】を必要としていたため、私も一緒でした。

nanairo-r.hatenablog.com

 

行き先がどこであれ

夫とおでかけができること、
時間をともにできることはとてもうれしいことです。

そして、

少しでも夫の仕事の役に立てるならできるかぎり協力したい。


だけど

夫について行こうと必死に心を立て直しても
それをことごとくなぎ倒す心無い言動・行動・態度。


戸惑いと落胆のくり返しでした。


ここからは、
下見に行った時のエピソードをいくつかご紹介します。

 

某アスレチック公園


春。新入生は入学早々、この公園に遠足に行きます。
夫はこの公園の下見を単独で任されていました。


移動手段はレンタカー。
ドライブスルーで朝マックを買い、ご機嫌だった夫。

そしてその機嫌の良さは、朝マックをピークに下降の一途を辿ることになりました。


公園近くまで来たものの、
なかなか公園にたどり着けない、駐車場が分からない。

運転席の夫の横顔を見ると、ものすごく険しい目つきと口元。
アクセルの踏み方が荒い。とにかく怖い。

〝あぁ、、、また怒ってる。どうしよう〟

私は〝駐車場が見つからないなんてたいしたことないさ〟という言葉を体現するように明るく軽やかに努めました。

公園と思われる敷地の外を何周もする間、
夫は攻撃的なため息を吐き、威圧的な声を出し、イライラを一方的にぶつけてくるのでした。

やっと公園に着いた後も、テンションは低いまま。
目についた植物や景色などを指さし、当たり障りのない会話を試みても不貞腐れたようないいかげんな返事。

生徒が遊ぶアスレチック場
飯盒炊さんでカレーを作る場所

ただつまらなそうに眺める夫。

〝下見〟はもっといろいろ確認したりするものだと思っていたので、夫の様子には不安がありましたが黙っていました。

結局ずっと不機嫌なまま一日を過ごした夫。
公園を出て帰る頃、
私はまともに立っていられないめまいと吐き気に襲われました。
※夫と暮らすようになってからめまいと吐き気の頻度が高くなりました

夫はこういう時、いつも無表情。
「大丈夫?」と声をかけてくれるも、そこには色も熱も無く、平坦。
感情が読み取れません。

私は夫の様子から、どうしようもなく辛くてもとにかくこれ以上夫の機嫌が悪くなることを恐れ〝申し訳ない〟〝ごめんなさい〟が心を駆け巡っていました。

 

浅草~スカイツリー


夫が急に「浅草デートしよう」と言いました。

なんだか明るいし、楽しそうな夫。
私はうれしくて「いいね!行こう!!」とノリノリでした。

「そんでさ、スカイツリーも行ってみよう!」

夫のさらなる提案に、私は舞い上がっていました。


当日。にぎわう浅草。
まずは〝浅草寺にお参り〟と思ったのですが、夫はあの大きな提灯を素通り。

「お参りしないの?」

「・・・」

〝しないのか、、、なんか怒ってる?〟
私は早くも不穏な空気になってしまうのかと不安になり、それ以上は追及せず、夫について行きます。


「腹減った。なんかある?」

「え⁉なんだろ、、あ、あそこの肉まんは有名だよ」

「食ってくか」


ひとまず、夫の要望にひとつ応えることができて安堵。


その後、夫はまた歩き出しました。

特に目的がある感じではなく、ふらふらするだけ。


「じゃあ、スカイツリー行くか」


なんだかよく分かりませんでしたが、

浅草に土地勘があった私は、夫をスカイツリーに行く電車まで案内しました。


駅からスカイツリーがある東京ソラマチまで、夫は無言でどんどん歩きます。

夫に何か話しかけるも足早に行ってしまいます。


〝なんか嫌な空気だなぁ〟

私は不安と緊張でいっぱいに。


館内のにぎやかなお店には一切目もくれず、まっすぐ長いショッピングゾーンを抜けて出てしまいました。


「押上駅ってここ?」

「そうみたいだね」

「今度ここ来るんだよね」

「え?来る?誰と??」

「都内めぐりがあるから」


夫は無表情でぶっきらぼうに答えました。

※都内めぐりは、生徒たちが班行動で観光地などを周る校外学習です。


胸を一瞬ぎゅっと掴まれるような感覚があり、その後、感情を揺さぶられる感覚がありました。


「そっか、下見だったのか~笑」

「言ってくれればよかったのに~笑」


私は明るく答えましたが、
夫は無言のまま、ただ表情が一気に険しくなりました。

私の無理な明るさが気に入らなかったのか、ちょっと悲しい感情が漏れてしまったのかは分かりません。


〝夫は私との時間を楽しもうとしていたのではなかった〟

〝ずっと私だけの独りよがりだった〟


恥ずかしさ、情けなさ、あと虚しさ。

そこで感情的になるわけにもいかず、必死にのみ込みました。


後から分かったことですが、
この下見は学校の職務としての正式な仕事ではありませんでした。


私は深い考えは何もなく、ただ「そうなんだ」と答えただけなのに、夫は「ただ俺が行きたかっただけ」と、威圧的な口調で言いました。


私が何か言うのではないか、と構え、
恐怖心を植え付けて、私を黙らせようとしたのだと思います。


私はそのことについて何も言うつもりはありませんでしたが、夫の思惑通り、緊張と恐怖で息苦しくなりました。

横浜めぐり


都内めぐりの〝横浜バージョン〟です。

この時は前もって仕事ではなく〝私的な下見〟であることが伝えられました。


中華街の飲食店
山下公園
氷川丸  

など


例のごとく、
夫は特に何を見る・確認するという感じはありませんでした。


〝疲れた〟〝腹減った〟などという、ちょっとしたことでもすぐに機嫌が悪くなるので、私は夫の顔色を窺いながら励ましたり、明るい空気を保つことに必死でした。


最後に寄ったのがオーヴィ横浜。

みなとみらいにある、動物や大自然を最新テクノロジーなどを駆使して体感することができる遊びと学びを網羅した大型施設です。

夫も私も、ここに来るのを楽しみにしていました。(していたはずでした)


ところが、夫は直前に休憩したカフェにいた時からすでに不機嫌で何話しかけても素っ気なく、しばらくゲームに耽っていました。


入り口に来てみると、入場待ちの長い行列ができていました。


周りは小さい子どもを連れたファミリーがたくさん。
みんな楽しそうにおしゃべりしたりはしゃいでいる中、夫だけは口をとがらせ、怖い顔で再びゲームをしていました。


どうにかその空気を打破しようとしますが、やがて私も諦めて黙りました。
黙っている間、無邪気な様子の子どもたちをみていたら感情がこみあげてきてしまいました。


〝あのとき産んでいたら、あの子くらいだな〟

〝あの家族、いい家族だなぁ〟

〝私もこんな家族になりたいなぁ〟


など、次々に思いがあふれて止まりません。


夫の攻撃的な悪い空気に酔っていた上に、360度幸せそうな家族に囲まれた状態が続き、私は心を揺さぶられて平常心を保てなくなりました。


夫に、一言告げて列を出ました。

とにかくショップが並ぶ賑やかな館内を歩き、深呼吸して落ち着いたところで〝負けちゃだめだ〟と気合いを入れました。


コーラを買って戻り、笑顔で「ハイっ」と渡しましたが無言で睨む夫。

列にひとりで【並ばされていた】のが気に食わなかったのか、私がいなくなるときにケータイを持っていってしまったので、ゲームを中断されて怒っているのか・・・


やっと中に入っても、ただ素通りするのみ。

何が何だか分からないうちに外に出ました。

 

<修学旅行の下見>の下見


夫の学校では、
修学旅行の前に学年の先生方みんなで泊まりで下見に行きます。

※みんなで行くのは夫の学年だけだったかもしれません。


ちゃんとした校務としての下見の予定があるにも拘らず、夫はその前にも下見に行くと言い出しました。


正式な修学旅行の下見は半年以上先です。

何のためなのか分かりませんでしたが、一緒に京都に行けるなら楽しもう!と思いました。


毎年、夏休みのお盆あたりに夫の実家に帰省するので、それからそのまま京都に向かうことになりました。


周る場所を聞くと、

清水寺
金閣寺
銀閣寺
 :


今までに何度も行った場所ばかりでちょっと残念でしたが、仕方ありません。

夫はその他に自分が行きたい場所は積極的に組み込むのに、私の希望には難色を示しました。


京都滞在中は、ちょっとしたことで機嫌が乱高下することには緊張や嫌悪・恐怖がありましたが、夫と一緒に京都を観光できることは純粋にうれしく、こうして連れてきてもらえたことにとても感謝していました。


夫が楽しんでいる姿を大切にし、夫の〝下見の下見の使命〟を全うするべく頑張ろうと思いました。


しかし、

どうしても感情の波に大きく揺さぶられたことがありました。


夫の希望ルートの途中に子宝の神様で有名な野宮神社があり、私はどうしても立ち寄りたくて夫に必死にお願いしました。


夫はダメとは言いませんでしたが顔は曇っていて、仕方なく一緒に参拝しているという雰囲気でした。


参拝後「お守り買うね」と伝えると、
夫は何も言わずに歩いて行ってしまいました。


買い終わって夫を目で探すと、神社の入り口の方で怖い顔で腕を組んで立つ夫の姿見えました。


その姿を見た瞬間、その場で泣いてしまい衝動に駆られました。


以前、

出産を控えた義妹のために
受験を控えた生徒たちのために
私の両親と妹のために

夫が「お守り買っていこうか」「参拝しにいこう」と明るく私に言う姿が目に焼き付いています。


何で夫と私の子宝を願うものなのに

何で私にはこんなに意地悪で冷たいのだろう


このときは、モラハラ夫の特徴である『ひどい二面性』のことを知らず、夫がお守りを買うのは周りから〝いい人〟〝すばらしい人〟だと思われたいがためのポーズであることが分からなかったため、私はものすごく悲しくなり、胸が締めつけられました。


私は何とかこみ上げたものを抑えこみ、感情の波が去るのを待ちました。

そして、
笑顔で「買ったよー」と駆け寄りました。


お守りを見せましたが、夫は興味ない様子。


〝俺の時間〟を無駄にした、汚されたと怒っていることを恐れ、私は「ごめんね」と「ありがとう」を丁寧に伝えました。

 

すべては自己を満たすために


夫の下見の様子を見ていて、正直何かプラスになっていることがあるのだろうかと疑問に思うことは多々ありました。

おそらく、下見は周りのためではなく、自分のためだったのだろうと思います。


〝周りの先生に舐められたくない〟

〝自分が主導権を握りたい〟

〝自分はこんなにみんなのことを思っています、というアピールのため〟


しかし、私はそれが生徒さんや学校にとってプラスかマイナスかを判断する資格は与えられておらず、ただ、夫の〝下見をしたい〟という要望・希望に上手く、素晴らしく応えることに専念するのみでした。


理不尽にイライラをぶつけられたり不機嫌な空気に怖い思いをしても、夫が一言「いい一日だった」というと、私はそれで心がホッとしてしまいました。


〝至らない私だけど認めてくれた〟

〝きっと疲れていただけなんだ〟

〝夫を悪く思った私がダメだった〟


つよい恐怖と安堵を交互に与えられ、私はすっかり心を支配されていました。

 

自分が満たされるなら、妻も道具として使う。



夫の中には〝自分〟しかありません。


人の心を踏みにじってでも裏切ってでも、いかに自分を満足させるかということにどこまでも貪欲でした。

 

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