妻、やめます。

モラハラ夫と過ごした日々の回想録

モラハラ夫と結婚式準備①~ものすごい愛妻家の激しい二面性と外面

モラハラ夫の歪んだ自己愛を満たすために欠かせない二面性と外面


私とふたりでいるときの夫は

とにかく気分の波が激しく
ちょっとしたことで急に豹変したり。

私は理由も分からず乱高下する機嫌を窺いながらの日々でした。


束の間の優しく温かい時間にも
どこかで緊張や不安がつきまといました。



しかし、

外での夫は完璧な良い人



誰もが穏やかで真面目な人柄に信頼を寄せ、ものすごい愛妻家だと認識していました。



このようなギャップは


激しい二面性を有する


異常に外面が良い


という典型的なモラハラ夫の特徴によってもたらされたものです。



結婚生活のあいだ

私は〝妻にだけ異常に冷たい〟夫の二面性と外面に苦悩し心を傷めてきました。



前回の『モラハラ夫と結婚指輪~〝何となく〟気になりだした二面性と外面』の中で、夫の二面性や外面への違和感を抱き困惑し始めたことについておはなししました。

 

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今回はその後、結婚式の準備を進めていく中でさらに顕著になっていったモラハラ夫の二面性と外面、それらに混乱と疲弊を深めていった出来事についておはなしいたします。

モラハラ夫が徹底する〝愛妻家の顔〟


結婚指輪を購入するとき、夫が急に「俺はいらない」と言い出して揉めた経緯があったのですが、結婚式についても最初は「するの?」という渋い反応で返されスムーズではありませんでした。


何だかわからない理由で式を拒絶し

何だかわからないうちにその気になっている。


変な緊張と不安を経て
なんとか式場と日程が決まりました。


式までの数ヶ月。

本格的に結婚式に向けた準備が始まると、以前から違和感があった夫の二面性と外面はより露骨になり、私は夫の振る舞いにはっきりと嫌悪感や心の傷みを感じるようになりました。



結婚式まではコーディネーターさんをはじめ、スタイリストさんやショップのスタッフさんなど、いろんな方々との打ち合わせや必要な物を揃えるためにふたりで出かけて行く機会が多くありました。 



どこへ行っても
誰に会っても

何を選び、決めるときも


夫の愛妻家オーラは全開


私たちの行く先々では
とにかくにぎやかで終始笑いが溢れていました。



「やっぱ花嫁が主役ですからね!」


「僕はどうでもいいんで妻にお金をかけてあげたいんですよ」



堂々とした出立ち
明るく張りのある声

口角と目尻がまあるく繋がってしまいそうな柔和な表情


至る所で発せられる妻への言葉や態度はどれも直球で、躊躇も淀みもありませんでした。



ヘアメイクの打ち合わせでは

私の髪が整えられていく様子をあらゆる角度からスマホのカメラで撮り続けるハイテンションな夫の姿が…

旅行の時でさえ、自発的に私の写真を撮ることのない夫の行動に驚きました。


また、
ただ妻を温かく見守るだけでなく


私のヘアスタイルや衣装・ブーケやアクセサリーまで、「コレがいい!」「コレが似合う!」と積極的に提案してくれたり、


その他のあらゆる場面でとても前向きで楽しそうに式の準備を進めてくれていました。

ふたりになると豹変。偽りの愛妻家の真の顔


しかし、

ふたりになると隣りにいるのはまったくの別人でした。


愛妻家の仮面を脱ぎ捨てて現れるのは冷酷なモラハラ夫



打ち合わせに向かう道中では


「今日なにすんの?」

「何時におわるの?」

「長い?」


いかにも不機嫌そうな顔

怒りをにじませた不満気な唸り声とため息

矢継ぎ早に意地の悪い質問攻め。



終わって一歩外へ出ると

一瞬で険しい表情に変わり
攻撃的なため息と重たい無言。


いかにもだるそうな足取りで歩き出しました。


「あ~あぁ、疲れた」

「今日(時間)どれくらいかかった?」

「え⁉もう◯時!なっが(長い)」

「あと何回来なきゃいけないの?」


「疲れたね」「長かったね」と共感を求める感じではなく、その悪意ある言い方や威圧的な態度には私への一方的な攻撃性を感じざるを得ませんでした。



ものすごい愛妻家オーラと同じくらいかそれ以上の熱量で発する負のオーラ。


豹変し、怒りや不満を前面に出す夫。

何の説明もヒントも与えられない私は
とにかく考えて考えて〝私の犯してしまった非〟を探さなければなりませんでした。



〝日頃の激務の上に休日まで心身使っているのだから疲れていて当然だ〟


〝夫の心身の負担への私の配慮が足りなかったのかもしれない〟



感謝は伝えているつもりだったけど
気遣っているつもりだったけど

まだまだ足りてなかった。


私は夫の表するものを受け止めなければいけないと思い直し、その度によりいっそう丁寧に精一杯の感謝と謝罪を伝えました。



でも、夫の不機嫌は止まりません。


立ち寄った飲食店
駅までの道
電車を待つホーム


憤りをたたえた表情で腕を組み、黙る夫。


さっきまで打ち合わせで盛り上がった話題や何気なく思いついたことを振っても、夫は何も言わずに睨んだりため息をついたり。



「あのさぁ、今ってその話しなきゃいけないの」



黙っていても謝罪しても無言で不正解を突きつけられ、話しかけると今度はきつく叱責されたこともありました。

咄嗟に謝りましたが夫の怒りは収まらず、しばらく嫌味を言われた後は口を利いてもらえませんでした。



毎回繰り返される

【二面性・外面】と【不機嫌・無視・口撃】



理由を知りたい
私に非があるなら謝りたい

でも、夫に訊ねてもまともな返事はありません。



このような感じで毎回ギャップが大きすぎる夫のふたつの顔に混乱し、頭を捻り心を絞っては夫の顔色を窺い続けていたのでいつも疲労困憊でした。

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結婚式の話題は禁忌


家でやらなくてはならない諸々の準備や作業はなるべく私が引き受けましたが、中にはどうしても夫との相談や協力なしには進められないこともありました。


「今日は◯◯やったよー」

「◯◯はどうしよっか?」

 

ちょっとしたことでも夫の疲労具合や機嫌を慎重に窺いながら声をかけなければならないのですが、いずれにしても夫はまったく関心を示さず、いつも冷たく乱暴に突っぱねられました。


夫自ら引き受けてくれたウェディングムービーの作成や直接自分の評価につながるようなことに取り掛かるときはとても一生懸命でしたが、それも急に〝お前のせいでやる気がなくなった〟〝期限に間に合わないのはお前のせい〟というような理不尽な言い分を突きつけて作業をやめてしまい、謝罪を強いられることも度々ありました。


睨む
ため息を吐く
嫌味を言う
悪態をつく
謝罪を強いる


家で結婚式の話題を出すと必ず険悪な空気になり、最終的にはひどく傷を負いました。

 

妻への見せかけの愛情は歪んだ自己愛のため


結婚式の準備をしていく中で夫婦間の温度差や価値観の違いでケンカしてしまうというのは多かれ少なかれよくある話だと思います。


モラハラというものをまだ知らなかった私。

夫の二面性や外面が露骨に顕著になってきていても、それはきっと結婚式に向けてのプレッシャーやストレスの蓄積による一過性のものだろうと思うようにしていました。



しかし、


私の目の前で露骨に豹変する夫の姿。


それを私がどう感じるかについて一切気に留める様子もなく開き直る姿。


第三者がいると私といるでは言うことに一貫性がなく、矛盾していても恐怖を煽って強引に押し通す姿。

 


〝これらは明らかに妻の心を蔑ろにし、侮辱している〟



そう感じる素直な感情を無視しきれない場面も多々ありました。



静かに疑問を突きつけたり

怒りと悲しみに支配されてぶつかったこともあります。


でも、モラハラ夫は当然

妻の心に向き合うことも
非を認めることもありません。


逆に、ものすごく恐ろしい形相と声色、激しい暴言で完膚なきまで私の心を抉り潰すのでした。



外で夫が見せた妻への優しさや思いやりは


私のためでも

私たちのためでもなく


ただ夫自身だけのため。



愛情に見せかけた歪んだ自己愛でした。



大胆に偽ってでも
人を欺き傷つけても

周りから良く思われたいモラハラ夫



激しい二面性も異常に良すぎる外面も

モラハラ夫が自分を保ち、生きていくためにはどうしても手放すことができない術・道具なのです。



愛妻家の言葉や態度には本当の愛情など微塵もなかったのだという事実は、当時の必死な私のことを思うと虚しさや寂しさがあります。


でも、あれからずいぶん時間がかかってしまいましたが、ずっと夫の二面性や外面に混乱し続け、すべては〝お前のせい〟と理不尽に押しつけられていた重荷を下ろし、やっと手放すことができました。

 

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