妻、やめます。

モラハラ夫と過ごした日々の回想録

モラハラ夫ってこんな感じ②~夫の場合【自己保身】

モラハラ夫の特徴『二面性・嘘つき・責任転嫁』


今回は私から見た夫、モラハラ夫の特徴の中でも『自己保身』をテーマにしました。

夫の異常なほどの自己保身。

夫の自己保身がどのようなものだったのかをお伝えしていきます。

なりふり構わず自己保身に走る夫の姿


私はときに客観的に、
ときにその被害の当事者として

夫の異常な実態を目の当たりにしてきました。


もちろん私にも自己愛があります。

自分を守ることは生きていくうえで必要なことだと思います。


しかし、


夫の自己愛・自己保身はとても歪んでいて偏っていました。

 

二面性


誰にでも社会性があれば内面・外面というのはあるものだと思います。


夫の場合、内と外ではまったくの別人でした。


外では

  • 物腰柔らかい面倒見の良い先生

  • 気が利いて頼りになる同僚

  • 従順で愛らしい後輩

  • 絵にかいたような愛妻家

  • まじめで心優しい息子

  • 礼儀正しく誠実な娘婿

 
上記にあげたところすべてに〝かなり〟〝異常に〟という修飾がつきます。


それぞれの役割のマスクをかぶり

徹底的に聖人君子になりきります。



私の両親と一部の人には夫のモラハラの実態を話しましたが、誰もすぐには信じてくれませんでした。

今でもきっと、私の方がおかしい・嘘をついていると思っている人もいると思います。



ずっと夫を可愛がっていた職場の先輩先生(50代)は、夫のことを


「学校ではただの愛妻家じゃなくて、ものすごい愛妻家で有名なんだよ」


と私に言いました。


それ以外にも、

「イチオ先生は本当に優しくて
 いい人だよなぁ」

「俺は今までの教員生活で、
 こんなにいい教師は見たことない」

「奥さんは本当にしあわせだよ。
 結婚して良かったなぁ」


など、
飲み会の席からわざわざ私に電話をかけてくることも何度もありました。

おそらく、そこに同席している夫の美辞麗句に感激したのだと思います。


夫が、外で懸命に教員の仕事をしていることは心から尊敬してました。

周りから仕事ぶりや人格を褒めていただけることも、本来とてもうれしいことです。



でも、一歩内に入れば
良く思ってくださる方々を教員として人として裏切るような言動・行動・態度の数々。


夫の演じる〝すばらしい人〟

その心の中には真の優しさも思いやりもありません。


そのような夫の人を欺くような人間性に対して嫌悪を抱き、どのように受け止めればよいのかと悩む一方、


それでもやはり


私以外の人の話には丁寧に親身に耳を傾け、共感を寄せ、心を砕く様子には歪んだ嫉妬心をあおられ、常に胸を締めつけられていました。


夫の露骨な二面性
私は終始、振り回されていました。

 

嘘つき


〝息を吐くように嘘をつく〟

よく聞く言葉ですが、まさに夫のことです。


顔色を変えず、平然と嘘をつきます。
罪悪感やうしろめたさを感じている様子はありませんでした。


その場しのぎの嘘。

ごまかしの嘘。

なぜついたのかよく分からない無意味な嘘もたくさんありました。


嘘を追及しようとすると

ものすごい形相で私を睨みつけて黙るか

柄の悪い口調で凄んだり、訳の分からない怒声を放ち、恐怖に陥れて私の口を封じようとしました。


あるいは、逆に変に落ち着き払って

「夫を信用できないとか妻としてどうなの?」

「あなたがそんなんじゃもう無理だよ」

など、

心を逆撫でするように嫌味たっぷりな言い方で私をねちねちと否定し、次第に話を逸らしていくのです。



日常でさりげなく夫が話した内容がすべて嘘だったということも何度もあります。

壮大なつくり話から小さな冗談レベルまで。



日頃、夫との言葉足らずな一方的な会話に悶々としていた私は、たまに夫から話してくれることがとてもうれしくて、しあわせな気持ちで話を聞いてました。

話が終わって、それにいろいろ言葉を返していたら

夫「信じた?」

私「え??何?嘘?」

夫はにんまりとして満足げ。

夫はまったくの大嘘を
もっともらしい知識を交え、冷静によどみなく自信たっぷりに話していました。

毎回そういう嘘のときは
〝なーんだ、嘘かぁ〟と笑って流していましたが


喧嘩につながるような裏切りの嘘に加え、この日常の大小の嘘。


夫の嘘をつくことに対するハードルの低さや私を軽視するような扱い、、、次第に夫への不信感・恐怖心が増していきました。


夫を信じきれないことは自分でも嫌で、とても苦しかったです。

でも
それは私の妄想ではなく、やっぱり嘘なのです。


私はいつのまにか、夫のちょっとした呼吸の感じや目線、表情、態度、空気で嘘が分かるようになりました。

確認するのは怖い、けど
気づかぬふりで通せるほど強くもない。

つらかったです。

嘘に怯え、心が本当の安息を得られることはありませんでした。

 

責任転嫁


夫は何でも人のせいにします。

自分の非は
頑なに認めません。


夫が嘘をつくのも、暴言を吐くのも

「俺をそうさせるおまえが悪い」

と言うのです。


一緒に決めたことも、後になって不都合が生じると

「俺は嫌だったのに、あなたが言うから」

「あなたの言うことを聞いてあげただけ」

と言い訳し

「〇〇してやってるのに、感謝が足りない」

となってしまうのです。


夫は悪い部分では頭の切れる人でした。

巧妙に仕掛けられる責任転嫁に
私はいつも流されまいと必死に食らいつくのですが、恐ろしい威圧的な態度と声、矢継ぎ早に投げ込まれる屁理屈に感情をかき乱され、発狂してしまうこともありました。


夫は、私が〝自滅〟するのを待っていたのです。


声を荒げ、
泣きじゃくる私を冷たい視線で見下ろし、


「おまえがこんなだからうまくいかないんだ」

「あなたが俺を傷つけた」

「あなたが変わらないなら俺たちもう無理だよ」


と吐き捨てます。

何度もこのようなやり取りがくり返されることで、私はすっかり心の形が変わってしまってました。


洗脳です。


自分でも
こんなのは私じゃない。
この事態は普通ではない。

と感じることはできるのですが、

夫から完膚なきまでに心を潰され、さまざまな恐怖・極度の緊張にさらされ続けると、私の中にある常識も自尊心も立ち上がれなくなってしまうのです。

夫は間違っている。

でも

夫を傷つけ困らせた私は最低だ。
このまま夫から突き放されたくない。


矛盾しているのですが
私は夫と温かい家庭を築きたい一心なので「おまえがダメだから別れる」なんて言われたら死ぬほどつらいのです。

ですから結局、
私は夫の意のままに自分を激しく責め、夫に必死に謝罪を重ね許しを請うのです。


なんでただの責任逃れがここまで人の心を潰し乱すのか、不思議に思う方もいらっしゃると思います。

私の考えですが、

巧妙な責任転嫁の〝巧妙さ〟

尋常ではないからだと思います。


いつのまにか話をすり替え、ちょっとしたところも見逃さずに揚げ足をとっては執拗に責め、平然と嘘を誠のように言い放つ。


自己保身のためには、
何が何でも相手を潰さなくてはなりません。


〝自分だけを守りたい〟というその執念の深さが、普通の人の感覚とはかけ離れているような気がします。

おわりに


『自己保身』
をテーマに3つの特徴をあげました。

項目を分けましたが、それぞれ相互関係にあります。


嘘をついて二面性で〝すばらしい人〟を演じ

非のない〝すばらしい人〟でいるために責任転嫁をし

責任転嫁のために嘘で塗り固める


すべてはただ、 

歪んだ自己愛・自己保身のために。

私のモラハラ夫はそういう人でした。


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