妻を虚無感に陥れる【悪魔の言葉】
前回は〝モラハラ夫が妻を追い詰める3つの常套句〟の1つ目、『俺の家』についてご紹介しました。
夫が妻を追い詰める
「これって俺の〇〇だよね」
という言葉。
今回はその2つ目。
『俺の時間』についてです。
「俺の時間」を突きつけるモラハラ夫との会話や状況を挙げながら、おはなししたいと思います。
とにかく〝俺〟優先
誰でも、自分がしたくてしていることや、楽しみ、本能的な三大欲求などを阻まれるのは好まないと思います。
でも時と場合によっては、
それらをしばし我慢したり、妥協しなければならないこともあります。
人と人がともに暮らし、生きていく以上
すべて自分の思い通りに、というのはなかなか難しいです。
そこをどう折り合いをつけていくか。
家族であれば、時にけんかでぶつかることも含めて、コミュニケーションを取りながら乗り越えていくのが自然かと私は思います。
※あまりに自然なことなので、今まであえてこのようなことを意識したことがありませんでした。
では、夫はどうかというと、まったく別次元を生きてました。
家族にとって大事なこと
家庭のためになること
たとえ、夫のためであっても
自分の気に食わないこと、
気分が乗らないことには徹底的に嫌悪を示し、激しく攻撃的に拒絶しました。
その手段のひとつが『俺の時間』の主張でした。
夫の『俺の時間』攻撃
私が夫に話し合いや相談、悩み事などを持ち掛けると夫の様子が豹変します。
まず、すぐに恐ろしい形相に変わり、
腕を組んだり、寝そべったりして拒絶の体勢に入ります。
そして、私と目を合わせずに強引にそっぽを向く、
或いは逆に、
血走った大きな目で私を捕らえ、威圧しながら
「今って、俺の時間だよね」
「仕事して疲れて帰って、やっと俺の時間なのに、まだなんかしないといけないの?」
「俺は、あなたと違って昼間仕事してるの。あなたは家にいてたっぷり自分の時間があるかもしれないけど、俺は自分の時間がないの」
「俺の時間だから俺が何しようと勝手だよね」
「何であなたが俺の時間に口出しするの」
「俺はあなたみたいに暇じゃないから」
などの言葉を投げつけます。
夫からは、私が毎日遊んでいるように見えていたのでしょうか。
夫がよく言うように、確かに
私の日常は、夫の仕事よりもある種の緊張感は少ないかもしれない。
私が家のためにすることは、
大方、私が決めた時間配分やペースででき、
誰かに監視されながらだったり、指図されたりはしない。
※夫との間に流れる空気を読み、その要望や命令には縛られてましたが、、
でも、私は
私が与えられた役割の中で最善を尽くし、向上心を持って家のことに従事してきた。
気難しいけど心から愛し、
添い遂げると決めた夫の心と身体を満たすため、
少しでも2人の生活を楽しく豊かにするため、
私も夫が外で仕事をするのと同じように、心身フル回転で工夫と努力を重ねて生きていました。
専業主婦を見下し、私への嫌味をふんだんに盛り込んだ『俺の時間』攻撃は、前回の記事の『俺の家』を主張されるのと同じように、自分の存在のすべて否定されているような気もちになり、とても傷つき、苦しみました。
妻の心遣いも徒労におわる
「疲れてるところ本当にごめんね。今日、ちょっとお願いしたいことがあるんだけど」
「イチオの貴重な時間なのは分かってるんだけど、少しだけ時間がほしい。ごめんね」
「ホントにすぐに終わるから」
どうしても夫に話したいこと、相談事がある時はこのような感じで、かなり気を遣いながら声を掛けました。
そうしないといけない空気なのです。
最初から私の心には、日々ストレスを抱えている夫に何かをお願いするのは申し訳ないという思いがあるのですが、
それに加え
いつも、「俺の時間」を主張されて話ができない
いつも、〝疲れた夫を察することができないダメな妻〟と罵られる
という、心がつらくなる負の体験が積み重なったため、
いつからか、まるでお殿様や王様に相対するように両ひざをつき、心身ひれ伏してお願いごとをしました。
この時の私の身体は尋常ではなく、
ひどい動悸がしたり、緊張で変な汗を大量にかきました。
言葉に詰まるなど、様子がおかしい妻を前にしても夫は動じず。
表情は強張ったまま。
構えているのが伝わります。
夫が普通に聞いてくれる話はかなり限られています。
家庭や家族、家の話。
将来の話。
生活、お金などの現実的な話。
子どもの話。
夫の中に、これらのテーマは存在しません。
また、私が夫に対して徹底的に忠実・従順であるかについては異常に神経質ですが、それ以外の私の心・考えなどにはまったく興味がないようでした。
夫にとって
夫婦間の気持ちのよいコミュニケーションなど、何の価値もありません。
私が黙ってニコニコしながら夫のために尽くし、すべて夫の思い通りになれば、コミュニケーションなど必要ないということだと思います。
夫が一歩家を出れば
- 自分の心を殺して〝異常ないい子〟で過ごす
- 下げたくもない頭を何度も下げる
- 苦手な生徒指導や保護者対応に追われる
- エンドレスな山積みの仕事
- 監視と規律に縛られる
自分の自由になる時など殆どない。
私は、夫が人一倍
コミュニケーションが苦手
時間や命令に縛られるのが大嫌い
ゆえに、そのような日常に
誰よりもストレスを抱えていることは重々承知しています。
なので、
家では疲れた心身をゆるりとしてほしい。
家のことはできるかぎり私が考え、実行し、守る。
家のことでは、なるべく夫に負担を掛けないようにと生活してきました。
夫婦が真面目な顔を突き合わすような大事な話なんて、毎日あるわけではありません。
日頃は、
夫が延々ゲームしていてもテレビを見ていても、文句なんて言いません。
ただ、夫と穏やかで優しい時間が過ごせれば、それでいい。
私なりに、夫の置かれた立場や夫の心身の状態も配慮していましたが、少しでも〝真面目な顔をする私〟は夫から〝俺の時間を汚す敵〟とみなされました。
「あなたがいつも空気をぶち壊す」
「妻失格」
「あなたはほんとに駄目」
夫の心無い言葉と、夫婦としてまともに言葉を重ねられないことに悩み続けました。
夫を予約?
夫は、私が会話や言葉を求め〝俺の時間〟が損なわれそうになると、頻繁に次のような会話に持っていき、私を突き放しました。
「お願いだから、少しだけ話す時間がほしい」
「俺と話したいなら、前もって予約しろよ」
「何で今はだめなの?」
「俺はあなたと違って平日仕事で忙しいの。休みとか時間がある時にしろよ」
「分かった、また次のお休みの日にするね」
そして、休日に話そうとすると、、
「あのさぁ、俺毎日仕事で忙しいの。俺のせっかくの休みなのに。俺の休みだから俺の時間だよね。何であなたのしょうもない話を聞かなきゃいけないの」
「イチオが休みの日にしろって言ったから、、」
「はぁ?あなたさぁ、夫の状況とか察することもできないの?妻失格だよね」
「じゃあ、いつだったらいいの?ここくらいだったらいい?」
※カレンダー差しながら、、
「俺忙しいから分かんない」
結局は予約も取れません。
このやりとりは何度もありました。
疲れた夫に話しかけたという罪悪感と、まったく取り合ってもらえず、夫のとなりにいる私は何なのだろうという虚無感に襲われました。
夫にとって結婚生活は何の時間?
夫が〝俺の〟と、あえて冠をつける特別で大切な時間とは、ただ純粋に、夫が自らの楽しい欲求や自己顕示欲などを満たすことに限られていました。
夫の生活は〈仕事〉と〈俺の時間〉で構成されています。
すべて夫ひとりで完結しており、
そこに妻・家族・家庭などのワードが入る余地はありません。
家庭のことも妻のことも
ふたりの生活も未来も
それらを考えること、思うことはすべて〝嫌な仕事〟〝不快な出来事〟〝厄介な案件〟として括られていました。
おそらく夫にとっての妻や家庭は、
夫の異常な外面・世間体を守る隠れ蓑であったり、
ストレスを吐き出すためのゴミ箱。
もしくは、俺の心身を満たすための充電器。
よって、
ふたりの結婚生活を営むために『俺の時間』を使い、心身を使うことはこの上ない【時間の無駄】という考えだったのだろうと思います。