モラハラ夫とのお出かけは満身創痍
夫とはよくお出かけしました。
さぁ、でかけよう!から少し躓く
私たちには子どもがいなかったので、時間も行き先も自由でした。
- 私の提案は採用されない
- 休日は、日頃忙しく働く夫のためのもの
- とにかく穏やかな夫でいてほしい
- できればふたりとも笑顔で良い時間を過ごしたい
これらが頭にインプットされているので、
と伝えていました。
夫の希望がなかなか定まらない時は、
〝とりあえずスタバでゲーム〟
に決まりました。
夫はスタバのフラペチーノが大好き。
タリーズでもエクセルシオールでもなく
とにかくスタバ一択でした。
※〝他がダメ〟というのではなく、夫の中では〝スタバブランド〟がダントツで絶対という信念があったようです。〝スタバでPC仕事〟の姿にかなり影響を受けてました。
夫がゲームしている間、私は一人ぼっちで黙って過ごさなくてはならず、ものすごく寂しさと虚しさが募ります。
でも、
まずは、夫がゆっくりできて楽しいことが一番。
「どっかいいとこある?」
夫はそう私に問うだけで、絶対に自分で検索しません。
「遠い?」
「どれくらい?」
「(駅からたくさん)歩く?」
「ゆっくりできんの?」
と、次々に聞く夫。
私は夫の要望に適うスタバを見つけるまで必死に検索しました。
夫とのデートでいつも悲しいこと
夫と外出すると、
必ず嫌な気もちになる瞬間がありました。
- 柄悪く、頻繁に道端に痰を吐く
最初の頃はちゃんとティッシュに出していたのですが、これが夫の本来の姿だったようです。
ものすごい大きな音で街路樹や植え込みに痰を飛ばします。 - 道行く人を睨みつける
肩で風を切るようないかつい歩き方。
人混みでは、大きな眼球を左右に動かしながら睨みをきかせる。
向かってくる人をよけようとしません。
ちょっとぶつかってしまっただけなのに、攻撃的な態度をとったり、行ってしまう後ろ姿をぶつぶつ言いながら睨みつけていました。 - 耳元で「うるせっ!」
電車の中でちょっとでもぐずったり、泣いている赤ちゃんや小さい子がいると、私の耳元で「うるせっ!」と言ってきます。
我が物顔で〝子どもは宝〟という言葉を掲げ、教壇に立つ夫の真の顔です。
この行為は本当に嫌でした。
感情が揺さぶられてしまうので、かなり真面目に抵抗しました。 - 我が道をゆく
夫は人混みを気にせずにどんどん歩いて行ってしまいます。手を繋いでいてもペースを変えず、自分一人だけが通れるスペースを強引に入っていきます。
私は思わず手を離してしまい、夫を追いかけようとしますが人混みではなかなか前に行けません。夫はというと、やはりペースを崩さずにどんどん小さくなっていきます。
だいぶ遠くに行ってから振り返る夫。
遠くからでも、私を恐ろしい形相で睨んでいることが分かります。
夫は、ついていけなかった私に怒りを露わにします。
遠くから名前を呼べば、ものすごく叱責される。
「待って」と腕を引っ張れば、睨まれる。
正解がありません。
私が謝っても不機嫌はしつこく、しばらく激しい緊張にさらされていなければなりませんでした。 - どこでもゲームゲームゲーム
夫は、電車の中・飲食店・歩きながらなど、どこでもゲーム三昧です。
夫の休日なので、好きなゲームでリラックスしてほしいという気もちに嘘はありません。
でも一緒にいる間、ずっと放置されているというのは本当につらいです。
そもそも日頃から話しかけても会話を続けてくれない夫。ゲームが加わるとさらに酷いです。
お店で数時間放置。歩きながらゲームする夫がちゃんと歩けるように私が夫の体を支えて誘導。
普通じゃないことは分かっているのですが、ゲームを中断するようなことを言うと夫は逆上しました。
外出の度に繰り返されたこれらの行為。
やめてほしいとお願いしたことは何度もあります。
でも、
いつも無視されたり、ひどい反撃に遭ったりでまったく伝わりませんでした。
首を懸けてナビ
夫がどこかへ行きたい、何かを食べたいという時。
私は何かに追われるように、必死に夫の要望に応えようとしました。
昼でも夜でも、
ごはんの後は必ずパフェかケーキもしくはスタバを欲する夫。
「どっかない?」
と聞かれ、検索を始めます。
- メニューは夫好みか
- 値段はどうか
- ここから近いか
などを頭に入れて、いくつか夫にプレゼン。
夫が納得しなければ、さらに検索。
やっとお店が決まっても、
私の緊張はここからが本番です。
夫をお店まで上手にナビしなければなりません
私が道に迷ったりすると、夫はたちまち不機嫌になります。
また、順調であっても
「まだ着かないの?」
「遠い?」
「あとどれくらい?」
「こっちであってんの?」
という感じで、緊張を高めてきます。
「あともうちょっとだよ!」
「大丈夫!近いよ!!」
などと、半分は自分に言い聞かせながら、夫の心をなだめます。
目的地に行くとき、私が知っている道であれば、なるべく起伏がなく歩きやすいルートを選びます。
夫はすぐに「疲れた」「遠い」と文句を言うので、とても気を遣いました。
それでも
「これ、ほんとに近道なんだろうな(怒)」
という風に凄まれることもありました。
ナビが上手くいかないと、その後の自分の立場が危うくなったり、心が死ななくてはいけないので、馬鹿みたいに必死でした。
〝役立たず〟というレッテルを貼られるのを恐れていました。
締めもゲーム
一日の締めくくりは、
マックやミスドでゲームゲームゲーム。
これが定番でした。
またも夫が飽きるまで一人で過ごしました。
周りの家族連れのほほえましい姿を眺めたり、学生さんグループの会話を聞いてみたり、ちょっと個性的な人を観察したり、、、
いろんな感情をいくつもやり過ごしました。
主人のありがたい(?)総括
一日の終わり。
布団に入った夫が、満足そうに今日のことを振り返ります。
「〇〇行って、〇〇食べて、〇〇食べて、、いい一日だった」
途中、何度も虚無感に襲われたり、夫の嫌な態度に心が苦しくなったりするけれど、夫が穏やかにそう言葉にしてくれると、私は、自分が許された・認められたような気もちになり、安堵しました。
その日の緊張が高ければ高いほど、その安堵の気もちも強くなり、自然と涙が流れてしまうこともたくさんありました。
「そうだね。楽しかったね」
「イチオがのんびりできてよかった!」
夫は決して、〝私〟という個人を必要としているわけではありません。
夫の〝総括〟の中に、〝ムギコ〟という個人は登場しません。
夫は、夫のために従順に従い、懸命に仕え、心を満たしてくれる人であれば誰でもよいのだろうと思います。
これが夫婦の関係としておかしいと分かっていたものの、いつか私を本当に必要だと認めてほしいと願い、家来であり続けた妻。
夫からのモラハラ行為による恐怖や不安はすっかり私の心から自尊心を奪ってしまいました。
自分がなくなった私は、
いつまでもどこまでも不毛で報われない休日を重ねるばかりでした。