妻、やめます。

モラハラ夫と過ごした日々の回想録

モラハラ夫ってこんな感じ①~夫の場合【サイレントモラハラ】

モラハラの特徴のひとつサイレントモラハラ』

 

『モラハラ』と聞くと、

加害者から日常的に酷い暴
言や侮辱・罵倒などによって為される分かりやすい言葉の暴力を想像されることが多いかと思われます。

しかし

モラハラには
一見、暴力と判断するのが難しい『サイレントモラハラ』というものがあります。


夫はこの『サイレントモラハラ』が基本のスタイルでした。


今回は『サイレントモラハラ』がどのようなものだったのか、その実態を綴ってまいります。

 

 サイレントモラハラとは


夫の傾向としては、酷い暴言を吐いたり脅してくるのは夫の中で状況や感情がいろいろ処理しきれなくなり、何かが切れて一線を越えた時でした。

なので、

日常的に私を頭ごなしに罵るような暴言や叱責はあまりありませんでした。


では、夫は日常
どんな暴力を振るうのかというと


『サイレントモラハラ』です。


直接的で分かりやすい暴言や罵倒ではなく、空気での卑劣で陰険な暴力です。


無視・無言、不機嫌な態度などによって独特の重苦しい空気や威圧的な状況を作り出すことで、私の不安や恐怖心を煽り心を支配・コントロールしていくのです。


  • 呼んでも聞こえないふりをする

  • 感情を射るような冷たい視線

  • 話しかけても的を得ない雑な生返事もしくは無視

  • 悪意の込められたような攻撃的なため息を何度もつく

  • 大きすぎる不満気な独り言

  • 本当にちょっとしたことで急に不機嫌になり塞ぎこむ

  • 都合の悪いことは徹底的に黙り、無視

  • 睨む以外は目を合わせない


 
とても陰湿で、冷淡。これがほぼ毎日です。


f:id:nanairo-r:20190613234834j:plain
f:id:nanairo-r:20190613235046j:plain
とある日の不機嫌な背中



いずれも、まだ結婚してから初期の頃に書いた落書きです。

別居後、荷物の整理をしていたら出てきて驚きました。


押し黙り、何を考えているのか分からない横顔

私を遠ざけるように向けられた猫背な背中


自分の存在がないものとされたような空間で、まるで一人で過ごす夫を覗き見ているような虚無感・孤独感にとらわれたり、確実に私に向けられた重く黒い空気に為すすべもなく、冷酷で非情な夫と同じ空間にいるという現実を突きつけられ、恐怖と緊張に襲われました。


どちらにしても絶望的です。


見慣れた夫の背中。

その背中に、最後まで安心や信頼は感じられませんでした。

 

サイレントモラハラと夫婦の日常


私たちの家は基本的には一人暮らし向けに造られたの1Kのアパート。

7畳ほどの部屋がひとつあるだけでした。

※なぜ、結婚してからこのような部屋に住んでいるのか、夫の家に対する偏った価値観などはまたいつかお話したいと思います。


どうしても夫の空気に耐えかねて辛くなると、脱衣所の洗面台の前にしゃがみこみ、何度も深呼吸をして静かに心の波が落ち着くのを待ちました。

声を殺しながら涙を流したことも何度もあります。


しばらくして夫のいる空間に戻ってもその背中は動かず、こちらに視線を向けません。


頑なに黙り、特別興味をもっているわけではないテレビ画面を凝視し続けるか、ケータイのゲーム画面にものすごく顔を近づけています。


「どうしたの?」も
「大丈夫?」もなし。


私のことは一切気にかけません。


私の様子の異変に気づいていても、あえて無視しているようでした。

一瞬こちらを向いても、不平不満の形をした口元と眼鏡のむこうに敵意のようなものを帯びた大きな目があるだけです。


おそらくですが、、、

夫はいつでもどこでも
私がニコニコと穏やかで優しい妻でいることを求めていました。

私が少しでも表情を曇らせたり、いつも通りに夫のそばで笑顔をもって心配りをしないことに腹を立てていたのだと思います。


私にも心、感情があるということは頭にないのです。

「てめぇの気持ちなんて興味ない」
「どうでもいい」

何度も言われてきました。


夫は中学校の教員です。
日々、心身すり減らして残業したり激務であることは分かっています。

私には絶対に務まらないような大変な仕事だということも分かっています。


夫が仕事から解放されて自由になるひととき。

疲れて静かにしていたいなら休ませてあげたいと思うし、夫が望むことがあるならその要望に応えたい。

でも、

正常なコミュニケーションを取らせてもらえずに夫の異常で激しい気分の乱高下について行くのは容易ではありませんでした。



夫の心がまったく分からないので、窺いながら伺うしかありません。

顔色を見て慎重に話しかけます。


私「今日も大変だったね」

夫「別に」

私「なんかあった?」

夫「何がぁ?特に」

私「明日も早く学校行く?」

夫「・・・分かんない」

私「明日、私も早く家を出ようと
  思うんだけど、、」

夫「なに?出かけんの?
  聞いてないんだけど(怒)」

私「この前話したけど、
  歯医者さん行くよ」

夫「覚えてない(怒)初めて聞いた」

私「ごめんね。行ってくるね」

夫「その後は?
  どっか寄ってくんの?(怒)」

私「そのまままっすぐ帰るよ
  ごめんね」


これで結構続いている方の会話です。

いちいち全部、私の胸を突き刺すような言葉と態度です。

冷静に考えて謝る必要はないのですが、夫の威圧的な言葉と態度に耐えられず、どうしても謝ってしまってました。


別に

特に
分からない
聞いてない
覚えてない


これらの言葉で私の存在は雑にあしらわれます。


夫が何に怒っているのか分からないので、さらに伺います。

私「何か怒ってる?」

夫「別に(怒)」

私「何か思ってることあったら
  言ってね」

夫「特に(怒)」

私「そう?
  もし私が悪いことしてたなら
  謝りたいし。
  気づいてなかったらごめんね」

夫「ムギコの思い過ごしじゃないの。
  そうやって言われて今嫌になった。
  俺は何とも思ってないのに。
  あなたはいつも俺の気分を悪くする」

私「私はやっぱり、この空気は
  正常とは思えないよ。
  イチオと気持ちよく話せないとか
  いつも怒られてるような感じは
  すごくつらい」

夫「つらいとか言って、あなたが
  勝手に思ってることでしょ。
  俺のせいにしないでくれる?
  すげぇ俺に失礼」

私「ごめんね。
  イチオのせいとかじゃなくて」

夫「俺のせいじゃないならちゃんと謝って。
  あのさぁ。
  俺はあなたと違って仕事してんの。
  ね?
  疲れて帰った夫に対して
  それも察することもできないとか
  妻としてどうなの?
  またあなたのせいで
  俺の時間が台無しじゃねえかよ。
  ほんと教員の妻失格だよ(怒)」


夫の台詞にアクセントをつけられないのがとてももどかしいのですが、
実際は一体どこで身につけたんだろう?と思うようなかなり柄の悪い嫌味な言い方を毎回されてました。


このあとのやり取りはサイレント・モラハラからモラハラへと切り替わっていき、頭がおかしくなるような屁理屈や暴言、攻撃的な言葉や態度で威圧してきます。


何気ない会話もできません。

私「今日、〇〇たちと
  ランチ行かせてもらったよ。
  ありがとう」

夫「・・・」
 夫はテレビを凝視

私「なんかね、〇〇が今
  大変みたいでね、、」

夫「・・・」
 絶対こちらを見ない

私「・・・」
 黙ってみる

夫「・・・」
 話をやめたけど気にかけない

私「聞いてた?」
 あくまで明るく

夫「なに?」
 ものすごい形相で凄む

私「〇〇が大変みたいで、、」
 一応焦りながら話はじめる
 涙を必死にこらえる

夫「アイスまだある?」
 急に私の話をぶった切る

私「え?あぁあるよ!」
 動揺するも明るく

夫「・・・」
 またテレビ

私「今話してたの聞いてた?」
 恐る恐る

夫「なに?」
 再びものすごい形相

私「ううん。なんでもない」
 諦め

 

サイレントモラハラは静かな凶器

 

夫は私の話を最後まで聞けません。

最初から聞かないというのが正しいかもしれませんが、とにかくまともにコミュニケーションがとれないのです。


無視か、キレるか


会話を進めようとすると堂々とモラハラを発動し、最終的には夫を思いやれないダメな妻という烙印を押されてしまいます。
 

ただ黙っているなら、疲れているなら放っておいてあげればよいのでは?
という意見もあるかもしれません。

でも、

サイレントモラハラは
ただ物静かな人柄であるとか、疲れなどの体調の問題ではないのです。


ただ疲れて休みたいのなら、
妻にわざわざ緊張と恐怖を与え続けて傷つける必要はありません。


ずっとこれが暴力であるとは気づけませんでしたが、夫は周りの人とは違う、何かがおかしいとは思っていました。


それでも

日々、夫のつまらなそうな、不機嫌な様子を目の当たりにしていると


私が至らないせいで
夫がつまらない思いをしている。

私が悪い。
私のせい。

自責の念に溺れ、

このままでは夫に捨てられる
嫌われたくない


という恐怖や不安に襲われていました。


私がもっと心を強く大きく持ち、どんな夫も受け止められる良い妻にならなくては。

私を奥さんにしてくれた人だから大切にしなくては。

焦らずに時間をかけてお互いに理解を深めていこう。


そう思いながら、

死にかけた心を何度も入れ替えて夫について行こうとしていました。

おわりに


恐怖と緊張で心の自由を奪い、

人の良心や愛情を悪用して奴隷・従属関係に持ち込む。


サイレントモラルハラスメント


とても地味で静かな暴力。

ですが、

それは人の心を確実に壊していきました。

 

www.nanairo-r.com

 

www.nanairo-r.com